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「なめてなんか、い…」
ドカッッ
派手に蹴飛ばされ机にぶつかる
その拍子に手を少し切った
広瀬さんはただ見ているだけ、誰もが怖さで何も言えない
事務所にいたさやちゃんが手の傷に気づき、絆創膏を渡そうとしたが、店長が止める
「そんなやつに手貸すな! とび~お前もうあがっていいわ」
「はい?」
「はいじゃねぇよ 帰っていいって言ってんだよ! さっさと帰れや」
何を言っても無駄そう…
「わかりました」
仕方なく帰る準備をする
事務員より先に帰るなんて、この会社に入って始めてだな…
「お疲れ様でした」
事務所を出る時、挨拶をすると店長が言葉を返した
「とび~やる気ないんなら辞めてもいいんだぞ? ゆっくり考えてこい」
くッッ
「失礼します」
誰が辞めるか! なめんなタヌキ
第一こんな辞め方、尾崎さんに会わす顔がない
まだ日が沈んでいない夕方を駐車場まで歩いて考えた
今日のはどう考えても私が悪い……
甘いよな…
尾崎さんなら回収してきただろう
明日からの仕事に気合いを入れ直した
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