透明(元赤)ファイル

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しばらく咳き込んで、言葉を発しない香織さん それでも睨み付けるような眼光は変わりなかった 落ち着くのを待って話を続ける 「上久保透さんの借金払って貰えますか?」 ちょっと考えた後 「わかったわ いくら払えばいいの?」 ようやく払う気になってくれたようだ 鞄からマイ電卓を取りだし、計算した元金と今日までの金利を伝える 「52万2千219円になります」 「はぁ? 今月の金利だけじゃないの? 払えるかボケ!」 どうやら払う気はないようだ やれやれ 「香織さん、来月の入金の約束も取れない(上久保透と)のに、次も何もないんですよ 利息だけ取ってどうするの? 誰がボケだ! また吊るされたいのか? あ"ぁ?」 「…………」 香織さん沈黙 そして今度は優しく 「払って貰えます?」 「……………わかった」
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