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「ママ…おみずがのみたい…」
まだ3才の男児の、最期の言葉だと、母親は証言した。
日常的に虐待を受け、亡くなったその子は、酷い状態で発見された。
食事も満足に与えられず、極度の衰弱による死であった。
水商売の母親は、子どもを一人残して、毎晩仕事に出ていた。もっと酷い時は、男と一晩、二晩と共にし、子どもの元へ帰らなかったというのだ。
アパートに帰って、子どもが冷蔵庫から、ソーセージやバターをテーブルに出して、不器用に食べた後を見ると、勝手な事をしたと言って、殴る、蹴るを繰り返していたという。
鑑識課だからといって、毎回殺人に関わる訳ではない。むしろ実際は、小さな記事にすらならないような、窃盗などで出動する事が殆どだ。
坂東尚美は、もう10年鑑識官を勤め、都会の孤独な老人の死も扱ったし、暴行・殺人等も、もちろん扱った事がある。
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