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悲鳴をあげて、尚美は飛び起きた。
搾れるほど、汗でパジャマが濡れている。
「…おい、またかよ?」
背を向けて眠っていた淳が、目を覚ました。
「――ごめんなさい…」
「何かさぁ、そういう…」
言いかけて、淳はあくびをした。
「…そういう、病院あんだろ。心療内科とかさ。行ったほうがいいんじゃないか?」
「…夢だけで?あたし、頭がヘンなわけじゃないもの」
「毎晩のように、これじゃさぁ…」
淳は、枕を持ってベッドを出た。
「ソファで寝るわ、オレ」
尚美は、寝室のドアが閉まると、顔を覆ってすすり泣いた。
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