尚美①

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悲鳴をあげて、尚美は飛び起きた。 搾れるほど、汗でパジャマが濡れている。 「…おい、またかよ?」 背を向けて眠っていた淳が、目を覚ました。 「――ごめんなさい…」 「何かさぁ、そういう…」 言いかけて、淳はあくびをした。 「…そういう、病院あんだろ。心療内科とかさ。行ったほうがいいんじゃないか?」 「…夢だけで?あたし、頭がヘンなわけじゃないもの」 「毎晩のように、これじゃさぁ…」 淳は、枕を持ってベッドを出た。 「ソファで寝るわ、オレ」 尚美は、寝室のドアが閉まると、顔を覆ってすすり泣いた。
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