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中学生になるまで、尚美は、自分は産まれるべきではなかったんだ、と、無意識に心の中に焼き付けていった。
母親の機嫌が良い時は、何を買ってもらうより嬉しかった。
尚美が中学2年の時、母親よりも若い男がアパートに転がり込んできた。
「あんたの父親になってもいいと、言ってくれてんだよ」
母親は、満面の笑顔を浮かべて男を紹介した。
「いいかい、今日からあんたは新藤尚美、と名乗るんだよ。この人の戸籍に入ったんだから」
母親と新藤は、既に入籍済みだった。
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