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目と目が合った時、不思議と懐かしさは湧かず、早紀は単純に、あまり変わっていないな、とだけ思った。
「…―久しぶり」
呟くように、淳が言った。
「本当、久しぶりね。…どうぞ」
患者側のソファは、早紀が何度も座り心地を確かめて購入した、リラックスを促すものだった。
「どうぞ。ここに掛けて」
淳は、雪を払ってから室内に上がり、指定されたソファに座った。
「…すごい、雪だね」
「そうね」
早紀は、2人分のコーヒーを運んだ。今も同じなら、淳はコーヒー党で、ブラックを好むはずだ。早紀は、淳の反応を見た。
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