第一章「批判王子登場」

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湊一成は、見ただけではプロ野球選手には見えない。 ユニフォームを着ていても、良くてボールボーイといった感じだ。体格だけではなく、顔も幼顔。今年で21になるが、十代で通用する。 地元では有名な進学校出身で、甲子園出場経験は無し。 地区大会でも最後の年にベスト8したのが最高。しかし、本人はリリーフに登板しただけで先発としては投げていない。 それが、高校生ドラフト二位指名で入団。入団時は「秘密兵器」「小さな巨人」とメディアの注目を浴びたが、一軍どころか、二軍ですら登板しない彼に、批判的な意見が殺到した。 「プロ選手として不適格」 「フェニックスは無意味な選手に金をかけた」 と、マスコミから総叩き。高卒選手に連日の批判だ。精神的にさぞ堪えているかと思いきや。 「さてと、明日から春キャンプだ。頑張るぞ」 全く堪えていないのであった。 大物なのか、天然なのか・・・。
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