第四章「始まりの出会い」

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「あれ? 監督だ」 「え?」 図書室に荒川が現れる。 「誰か一緒ね。誰かしら?」 「・・・井原保選手」 「誰?」 「僕らが生まれた頃、活躍したプロ選手だよ」 荒川は辺りを見回し、湊を見つけると荒川は近づいてきた。 「湊、勉強中すまないが、ちょっと良いか?」 「はい。構いませんよ」 「私も行くわ」 「いや、青木は――」 「別に構わないんじゃないですか? 折角井原選手とのお話する機会ですし」 「俺を知っていたの?」 井原は少々驚いた様子だ。 「来シーズンからの東北フェニックスの監督に御就任されますよね?」 「あらあら、俺って有名人だったのね」 おどけて言う。 「湊、青木。場所を変えて中庭のベンチに行こう」 場所は移って中庭。 いつも通りの湊とやや落ち着かない様子の佳奈。 井原は落ち着いた様子で、おもむろに口を開いた。 「湊くん。プロ野球の世界に興味はあるかな?」  
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