第四章「始まりの出会い」

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「ん~~、どうすっかな~」 井原は一人悩んでいた。 悩みの原因は、もちろん湊をどう口説き落とすかだ。 高校生の彼をドラフトで指名する為には、ドラフト前に、プロ志望の手続きをしてもらわなくてはならない。 完全無名選手なので、他のチームと競合になる可能性は天文学的数字であり得ない。 しかし、プロ志望の手続きをしてもらわなくては指名出来ない。 「家族を先に説得・・・で入団を決めてくれる相手じゃないよな」 天然だが頭は良い。 やはり、本人にプロの道を選ばせなくてはならない。 「でも、そいつが難しいんだよな」 初日の今日は正攻法で攻めてみた。 だが、予想以上にしっかりしていた。 多少ズレていたが。 「仕方ない。なるようになるだ」 こういった疑問は開き直るのが一番。 井原はそう結論付け、寝ることに決めた。
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