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御堂郁乃は、破天荒な少女だった。
御堂グループのお嬢様でありながら、近所のガキ大将で、我が強く、喧嘩も強かった。
上級生の男子をも手玉に取り、リーダーシップに秀でていた。
幼いながらも、上に立つもののカリスマ性の高さを発揮していた。
乱暴者という印象を受けるが、可愛らしい少女だった。
そして、妙に湊になついていた。
その為、湊が影の番長という立場になってしまったのは、言うまでもない。
そして、中学校卒業と同時にアメリカの高校に行ってしまい、向こうの大学に進学したと聞いた。
「でも、佳奈ちゃん。帰ってくるって、まだ大学2年のはずでしょ?」
「それが、高校と大学を飛び級して、卒業しているらしいのよ」
「・・・」
黙るしかないだろう。
アメリカに行く際、駄々をこねて、湊を強制的にアメリカへ連れて行こうとしたのだ。
それも、かなり強引な方法で。
マイペースで知られる湊が唯一マイペースでいられない相手。
それが御堂郁乃だ。
その彼女が日本に帰ってくる。
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