8334人が本棚に入れています
本棚に追加
そんなこんながありまして“私”達みたいな、タクシー運転手はあの前の通りを走っていると幽霊を乗せてしまうだの、祟られるだの、あんまいい噂はないんですよ。
まぁ、間違ってはいなかったんですがね…聞いてくれます?
その日は、お客さんが何時もより少なかったんでね、大通りのあの道を通ってしまったんですよ。
したらね、居たんですよ女の人が…
その時はそんな噂忘れ、お客さんだと思い、気にしてなかったんですがね。
しばらく走ってから、何かおかしい…と気付いたんですよ。
車内のルームミラーで女性を見ると、違和感が
…顔がみえない?
それに、これは運転したことがある人じゃないとわからないと思いますが、人一人乗せるだけで結構車の重さと言うのを運転するだけで伝わるのに、まるで何も乗っていないように、感じなかったんですよ。
…怖くなりましてね、お客様に
「すみません、車の調子がおかしくて…降りていただけますか?」
何て嘘ついてしまったんです。
彼女は、こくりと頷いて降りてくれました。
もちろんお代なんか頂きませんよっ。“私”の勝手で降ろしてしまったのですから。
でも気のせいだったみたいですね。
だってほら、よく聞く怪談はこのあたりで「何故降ろしたぁ~」とか、降りずに「殺してやる~」とかじゃないですか?
そんな事なかったのですから。
そう、本当に怖いのは、疑心暗鬼になって、お客を降ろし、そののちにクレーム何かが来ちゃったりなんかして、クビになり、ノタレ死ぬこと
最初のコメントを投稿しよう!