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爪先立ち
好きだよ。
貴方のその笑顔。
好きだよ。
貴方のその笑い声。
好きだよ。
すぐ腰に手を当てる癖。
好きだよ。
貴方が履いていた靴。
好きだよ。
貴方の好きな缶コーヒー。
好きだよ。
今も貴方が。
やけに高い身長に
場所がいいって、すぐ私の頭を撫でたよね。
「イヤだ!」
って、ホントはイヤじゃなかった。
離れた歳の差。
貴方の懐かしのメロディーすら知らない曲が多かった。
少しでも貴方に近づきたかった。
少しでも貴方が知りたかった。
叶わない気持ちに、
望めない想いに、
気付いていたけど、
それでも、好きな気持ちは誤魔化せなかった。
最初に最後。
貴方が見せた涙と一緒に、私の存在もどこかに置き去りにしていて欲しい。
今も貴方は胸の奥。
大切に場所はとってある。
貴方に貰ったモノだけ握り締めて、私は今も歩いてる。
たまに振り返って、暖かい痛みに強く足を踏みしめる。
貴方に恋した爪先立ちはもうしなくなったけど。
まっすぐ立って今、貴方を見てる。
好きだよ。
今も貴方が。
幸せになって。
私は今、幸せです。
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