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27才の秋から冬にかけて、歯磨き時の出血は頻度を増し、遂に毎日続くようになりました。
ハグキの存在が私の中で次第に重みを増して迫って来ました。
ハグキ。ハグキ。ハグキ。
頭の中はハグキでいっぱいです。
その単語を浮かべると、次の言葉が浮かびます。
歯医者
に行かなきゃ。
歯医者を虜にしたピンクのハグキは見る陰もなく、薄い紫を帯びています。
27才、冬。
私は5年ぶりに歯医者の門を叩きました。
だが、時すでに遅し。歯肉炎を通り越し、私は歯周病、いわゆる歯槽膿漏と宣告されました。
27才。
初めて入れ歯を意識しました。
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