姫華~兆し~

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校内に放課後のチャイムが鳴り響いた 誰よりも早く席を立ち、教室を出た。 誰も気にしない…いつもの事だ、私もクラスのみんなも、それが当たり前になっている。 騒がしい教室で一人座っているのは居たたまれない。 だからといってくだらない会話に付き合うつもりは無い。 校門を出て、学校から遠ざかる。 頭が良くて、スポーツが出来て、美人。 私にとってそれは、自分を保つのに大切な事だった。 あんな状態で取り柄が無くなったら… …考えただけでゾッとするほど惨めだった…
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