姫華~兆し~

4/36
前へ
/237ページ
次へ
明るく笑顔で話して、誰とでも仲良くなれそうなタイプだ。 きっと男の子にちやほやされてるだろう。 きっと、結婚したら仕事も辞めて、主婦になり、養われる立場になる 。 いざとなったら何も出来ずに男に頼る。 だから男に逆らえないのだ。 実際看護師や保母、社会で活躍出来る女性は、男の偉そう態度に我慢しないでいい。 そういう女性は、離婚率が高いらしい。 生活の為に男の世話になる、そのくせ何も出来ない自分を棚にあげ、影では文句の言い放題。 まるで出来の悪いペットか専用娼婦だ。 そんな専用娼婦達のせいで日本の女性の地位は低い。 私の母もそうだった。 大好きな父が死に、泣く事しか出来なかった私を捨てて、他の男の専用娼婦になった。 私は、弱い女が大嫌いだ。 だけど、自分の考えを誰かに押し付ける気は無い。 私は黙って親子の後ろを歩いた。 どうやら部屋も隣らしい。女の子は笑顔で“おやすみなさい”を言ってくれたが、私は挨拶だけして鍵を開けて部屋に入った。
/237ページ

最初のコメントを投稿しよう!

595人が本棚に入れています
本棚に追加