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「さて、それにしても今回は特殊だね」
「うむ、そのようだ」
二人が悩んでいる事、それは兄弟がさらわれたという事。
二人からみれば一番末っ子の妹が小学校の帰り道に何者かにさらわれたのだからたまったものじゃない。
「やり口から見ればてんでの素人なのだが……何か臭うんだよ」
乢圉は不安そうにしている。
「なに心配している?我達に手を出したのだ。誰であろうが償ってもらう、だろう?」
「それは当たり前だ、だが……何かが、な」
煮え切らない乢圉を見て武叉は鼻で笑い、アクセルを踏み込んだ。
「なにを心配しているのだ?リズは仮にも《漂無流意》と呼ばれているんだ。そのヌシがそれでどうする」
「それもそうだね。実は知的キャラを売りにしようと思ってたんだよ。どうやら私は知的より自由気ままに動くのが一番性に合っているらしい。よーし、これからは欲望のままに生きるぞー」
やけにイキイキした笑顔を見せる乢圉。
「リズ、お前がそれ以上ハメを外したらどうなるんだ?」
「うーん、とりあえず女子高生見つけて仲良くなろう」
武叉の言葉は乢圉の耳には届いていないようで、乢圉はケータイを取り出していた。
「ねぇラス、出会い系でいいところ知らない?」
「しるか!」
武叉は思わずキャラ作り(武士口調)を忘れて普通に突っ込んだ。
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