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翌日は晴天だった。
臙は満霞が最後に力を溜めた水晶を持つと、外に出た。
「みんな忘れ物ないな?」
そう確認すると、水晶を握り締めて叫んだ。
「羽琉!!!」
全員に氷で出来た翼が現れる。
臙が都の方向を指差すと、一気に飛翔した。
臙が叫ぶ瞬間、樹理は臙が泣いていたのを見ていた。
最後に満霞が残してくれた力は全員を都へ送り届けると、砕け散った。
「一応騒ぎにならへんように城の裏のほうに降りたはずやねんけど…」
そう言うと、耀崋が涙を浮かべた。
『何年ぶりかしら…』
目の前には大きな城が広がっている。
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