帰城

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そう言うと、樹理は部屋から出た。 臙が口を開く。 「実はな、ひぃさんには話したんやけど、ちょっと神さんに借り作ってもうてな、出来たら物語にして民間にも広めて毎朝祈るようにしたいんや」 『何だそれは?詳しく話してくれ。』 臙は耀崋にした話と同じ話をした。 『信じられないな。しかし、それが本当ならばこの国の守り神としてお祭りしなければな。』 朝雅が頷いたとき、部屋の外から声がした。 『殿。智輝です。ただいま参上いたしました。』 『入れ』 『失礼いたします。』 智輝が入ってきたとき、臙はつらそうに眉根を寄せた。
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