プロローグ

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『それは臙さんには覚えていて欲しかったんですよ。この世界で一番長く満霞の傍にいたのは臙さんですから』 臙は樹理を抱きしめた。 「堪忍やで。今だけ暫く貸してや」 樹理は臙の背中をポンポンと叩く。 暫く…10分程だろうか、臙は顔をあげた。 「おおきに。お前だけでも満霞覚えてくれとって良かったわ。」 『いえ。私は満霞に話してはもらえませんでしたから。』 「多分満霞はお前に言うたら止められるて分かってたんやろな」 樹理は辛そうに微笑んだ。 『私たちに記憶が残ってるって事は私たちにはまだすることが残ってるってことですよ。』
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