8 その猫の居場所

13/13

1404人が本棚に入れています
本棚に追加
/217ページ
僕の言葉の後、ニヤは小さな子供のように泣きつづけた。 ニヤは強い。 そして同じくらいに弱い。 僕はそんな単純なことにすら気がつかなくて。 彼女の鋭い視線はただ怖いから。 トゲトゲしい言葉は自分を守るためで。 そして、素っ気ないその態度は自分を見てほしいから、構ってほしいから。 泣きつかれ腕の中で眠るニヤの額にキスを落とす。 ここがずっと彼女の居場所であるようにと、願いを込めて。
/217ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1404人が本棚に入れています
本棚に追加