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ニヤは仄かに光を落とす太陽に向けて右手を伸ばした。
そこには半透明な空色の石をあしらった華奢なブレスレットがはめられていた。
それはニヤの十四の誕生日に玲がプレゼントしてくれたものだった。
空を閉じ込めたようなブルーオパールは、まるで玲の描く絵のようでニヤの顔が自然と綻ぶ。
その日、ニヤの手にこのブレスレットをはめてくれた玲は初めて自分からニヤの唇にキスをしてくれた。
一瞬の触れるだけだったそれは、けれどニヤにとっては十分に満足の行くもので。
「早く帰ってこねーかなー」
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