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マンションの前まで来ると、果たして彼女の姿がそこにあった。
玄関のインターフォンの前で俯く杏子に
「こんばんは」
声をかける。
弾かれたよにニヤの方をみた杏子も「こんばんは」と笑顔で返すがその姿は痛々しく、今にも泣き出してしまいそうにニヤには見えた。
黙っているのも不自然なので「ずっと待ってたの?」
ニヤが尋ねると。
「アルバイトが終わって、今来たところだよ」
何時もの笑顔をとりもどした杏子がフワリと笑って答える。
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