9 十三夜月

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マンションの前まで来ると、果たして彼女の姿がそこにあった。 玄関のインターフォンの前で俯く杏子に 「こんばんは」 声をかける。 弾かれたよにニヤの方をみた杏子も「こんばんは」と笑顔で返すがその姿は痛々しく、今にも泣き出してしまいそうにニヤには見えた。 黙っているのも不自然なので「ずっと待ってたの?」 ニヤが尋ねると。 「アルバイトが終わって、今来たところだよ」 何時もの笑顔をとりもどした杏子がフワリと笑って答える。
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