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「直接渡そうと思ったんだけど、玲君まだ帰ってないみたいだから。 悪いけど、ニヤちゃん渡しといてもらえるかな?」
そう言って笑う杏子の顔がとても悲しそうで。
「携帯は? 玲に連絡したの?」
ニヤの言葉に無言で首を横に振る杏子にそれ以上は聞けず。
「じゃ、さ。 家で待ってたら? 玲も喜ぶと思うし」
気がつけばそう口にしていた。
まさかそんなことを言われるとは思っていなかったのだろう。
ニヤ自身、自分の言葉に驚いているのだから。
戸惑う杏子の腕をとると半ばヤケクソでニヤはマンションの中へと引き入れた。
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