9 十三夜月

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「適当に座ってて」 落ちつかない様子の杏子をリビングに置いて、ニヤはキッチンへと向かった。 コーヒー好きの玲はかなり大きめのエスプレッソマシーンを所有していたが生憎ニヤには使い方がわからないので、仕方なくニヤ用に、と玲が買ってくれたピーチフレーバーの紅茶を二人分用意する。 甘い香りのするそれを杏子の前に置きニヤは窓辺の所定の位置に座った。 半出窓になった大きな窓からは空が見えて、アトリエ以外ではニヤは大抵この窓際で昼寝をしていた。
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