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聞きたくなかった筈なのに。
ニヤはかなりキツい調子でそう言い放っていた。
けれど杏子は特に気分を害した様子もなく「杏子」で良いよと言うと少しだけ考えて「友達……かな?」と答えた。
「ふーん」
「ニヤちゃんは玲君が好きなんだね」
真意の見えない杏子の発言にニヤは眉を顰めると「別に」と同じように答えた。
その様子に杏子がまた笑う。
しばらく、そんな風に他愛もない会話をしていると、八時を少し回ったころだった。
玲が帰ってきたのは。
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