9 十三夜月

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ニヤはベッドから立ち上がるとカッターシャツとスカートを脱ぎ捨てて、その姿見の前に立った。 ちっとも丸みのない痩せた体、胸元に目を落とせばブラジャーなど必要あるのだろうかと思いたくなるような貧弱なものが二つ。 色気も柔らかさの欠片もないその体は自分で見ていてウンザリする。 キツく見える吊り目も少し堅い真っ黒な髪も、ちょっとだけ上を向いた鼻も。 なんだか、今は何もかもがニヤには変に見えた。
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