9 十三夜月

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「あの人みたいだったら……」 ふんわりした巻き毛、小柄で丸みのある柔らかな体躯。 優しげな目もとに、ほんのりピンク色の頬。 それに。 「……せめて、あの半分でもボリュームがありゃな」 乾いた笑いを浮かべると、ニヤはブルリと身震いした。 まだ、秋とはいえこんな格好で長い間いるのはかなり寒い。 何時までもこんなしょうもないものを見ていても仕方がない、と。 床に脱ぎ散らかしていた服もそのままに、ニヤは再びベッドに寝そべるとシーツにくるまった。
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