9 十三夜月

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「……れい」 呼んでみれば、自分でもびっくりするぐらい心細くて。 「れい……」 もう一度、名を呼ぶと。 「どうしたの?」 ニヤの思いもよらず、オープンキッチンの正面、リビングの方から返事が帰ってきた。 「玲?」 玲は窓際のいつもの場所でワインの瓶を傍らに置いて座っていた。 「眠れないのかい?……って君、すごい格好だね、風邪をひくよ」 「何してんだ、お前?」
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