9 十三夜月

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「 今夜は月がとっても綺麗なんだ」 「おいで」言われるがまま近づくと玲はニヤを膝の上に乗せて優しくブランケットをかけてくれる。 「……あの人は?」 恐る恐るたずねると、玲は「帰ったよ」言って月を見上げた。 つられるようにニヤも玲の目線の先を見ると。 空には銀色の月が登っており、あと、二・三日もすれば満月になるだろうか? 少しだけ端がかけていた。 「送ってたの?」 「うん、ニヤが勉強って言って寝に行ってすぐ」 「知ってたのかよ」 「外までいびきが聞こえてたからね」 からかうように、玲が言って「いびきなんてかいてねー!」ニヤが頬を膨らますと玲が楽しそうに笑った。
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