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「勝手に入って大丈夫なのかよ!?」
「大丈夫じょぶ」
辺りを気にしながらビクつく岩城に軽く答えながら、ニヤは美術館の裏側の廊下を進んでいた。
まさかニヤが来ているとは思っていない玲の前に突然ニヤが現れたら玲はどうするだろうか?
驚くだろうか? 喜ぶだろうか?
玲の驚く顔を思い浮かべニヤは薄暗い廊下を進む。
美術館の備品やらが傍らに置かれたそこは館のプライベートゾーン。
所謂、関係者以外立入禁止の場所だ。
長い雑然とした廊下を抜け扉を開けると今までとは違う雰囲気の通路にでた。
美術館の来賓用通路らしいそこを進んでいると。
「そう、それは大変だったわね」
通路の行き止まりを曲がった先から森川の声が聞こえた。
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