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どうやってそこまで来たのかニヤは覚えていない。
気がつけばニヤは美術館を囲う公園のベンチに座っていた。
頭の中では玲の言葉が何度も何度も木霊していて目眩がすると同時に酷く気分が悪かった。
「……神山?」
真っ青な顔をして呆然と俯くニヤに缶ジュースを渡し、岩城が心配そうに声をかけてくるが。
今のニヤにそれに応えるだけの気力はなかった。
母親と呼ばれる人に捨てられた時ですら、何とも思わなかったのに……他人であるはずの玲に突き放されニヤは傷付いていた「おかしな話だ」マトモに動かない頭でまるで第三者のようにニヤは思った。
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