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けれど……その思いとは裏腹に玲にとても会いたかった。
会って抱きしめて貰えれば。
真実を知り、玲を困らせていることを知りながらも、まだそんな事を望んでいる自分が腹立たしく哀れだった。
「神山?」
岩城にもう一度名を呼ばれ、ニヤの体は暖かい温もりに包まれた。
欲していたものとは違うが確かな温もり。
「……ヒッ、ク……いわきぃ」
もうそこからはダメだった何を話したか覚えていない。
言葉にならぬ音の羅列を並べニヤはただ泣いた、玲とは違う温もりを感じる腕の中で。
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