11 猫との決別

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まだ意味が分からないのかボーっとする岩城を脇に、ニヤは空になった缶を大きく振りかぶってクズ入れに投げる。 十メートルほど離れたそれに派手な音を響かせながら缶が吸い込まれ。 「うっし! 絶好調」 ニヤはガッツポーズすると、岩城に向き直った。 「何、間抜け面してんだよ、オラ行くぞ、もう授業終わるだろ」 「……神山? あの良いって? それって?」 「だから付き合ってやるっつってんだよ」 ニヤの言葉を漸く理解出来たのか岩城は慌てて立ち上がると。 「マジで?!」 聞いてくる。 ニヤがそれに面倒くさそうに頷くと。 「好きだ! 神山!」 岩城が恥ずかしげもなく絶叫してニヤを抱きしめ。 「うっせぇ、お前。 ゴリ先にみつかんだろ!」 ニヤは苦笑いを浮かべ、これで良いのだと自分に言い聞かせた。
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