1404人が本棚に入れています
本棚に追加
まだ意味が分からないのかボーっとする岩城を脇に、ニヤは空になった缶を大きく振りかぶってクズ入れに投げる。
十メートルほど離れたそれに派手な音を響かせながら缶が吸い込まれ。
「うっし! 絶好調」
ニヤはガッツポーズすると、岩城に向き直った。
「何、間抜け面してんだよ、オラ行くぞ、もう授業終わるだろ」
「……神山? あの良いって? それって?」
「だから付き合ってやるっつってんだよ」
ニヤの言葉を漸く理解出来たのか岩城は慌てて立ち上がると。
「マジで?!」
聞いてくる。
ニヤがそれに面倒くさそうに頷くと。
「好きだ! 神山!」
岩城が恥ずかしげもなく絶叫してニヤを抱きしめ。
「うっせぇ、お前。 ゴリ先にみつかんだろ!」
ニヤは苦笑いを浮かべ、これで良いのだと自分に言い聞かせた。
最初のコメントを投稿しよう!