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親戚達は母を辛辣なまでにけなし、僕には諂うような笑みを送る。
――まただ
僕は心に淀む苦々しい思いを必死に抑え彼らに対応し、疲れ果てて漸く家に帰ったのは月曜の夜のことだった。
帰りに何度かニヤに電話とメールをしたのだが結局彼女がそれに出ることはなく、僕は親戚らとのやり取りもあって多少イラつきながら家に入った。
疲れていたのだろう、玄関に見慣れぬ靴があることにも気がつかずに……。
僕がニヤに不満を漏らしながら家に入ると、そこには何故か矢野さんの姿があった。
驚いてニヤの方を見ると、矢野さんが僕の忘れ物を届けてくれたから家に上げたのだという。
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