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僕は追いかけたい衝動をこらえて矢野さんに向き直る。
「送っていくよ」
僕の言葉に矢野さんは一瞬僕の方を見つめて、すぐに床に視線を落とした。
今の僕には彼女に優しく出来るだけの余裕はなくて。
「少しニヤの様子を見てくる」
そう伝えて、僕は再び部屋をでると自分の心を必死に落ち着けた。
矢野さんに八当たるようなことだけはしたくなかったから。
ノックして呼びかけてもニヤからの返事はなく、ソッとドアを開けると宿題をしているはずのニヤはシーツを頭まで被って眠っていた。
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