11 猫との決別

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伝わる体温に、緊張しているらしい鼓動に僕の心がどんどん穏やかになっていく。 二人で月を眺めながら、僕はブレスレットの事を謝った。 でもあれをニヤにどうしても上げたかったから。 そう伝えるとニヤが不安げに僕が選んだのか? と、問うてくる。 僕は自分で選んだ事を伝え、彼女を抱きしめると自分の部屋に連れていき共に眠った。 最初は緊張していたニヤも暫くすると次第に落ち着いてきて、穏やかに眠るニヤを見ていると、僕の陳腐な欲望などどこかに消え去ってしまう。 ただ手の中の生き物を優しくなでながら、何日かぶりの穏やかな眠りへと落ちていった。
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