11 猫との決別

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友達とどこかに出かけるというニヤを無理矢理に起こし、僕は近場にある美術館に仕事に出かけた。 美術館では秋の特別展が催されており、僕は自分の作品が出展されている関係で世界の名画についての講習を頼まれていた。 土・日の二日間開かれる講習は一般のお客さんに向けられたものであり、どちらかと言えば一般客と画家との交流という趣の強いものだった。 二日目の午前の講習会を終え、僕は美術館を囲む公園がよく見える休憩所のソファに腰掛け冬枯れの木々を眺めていた。
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