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怖ず怖ずと差し出された岩城の右手を取れば、十一月の冷たい夜風の中そこだけほんのりと暖まる。
「そういえば」
岩城が思い出したようにいって、ニヤが彼の方に視線を向ける。
「最近、神山、あのブレスレットしなくなったのな」
「ああ、うん。 やっぱりニヤには似合わないからさ。 捨てた」
ニヤは岩城の告白を受け入れたその日、大切なブレスレットを机の奥にしまい込んだ、玲との決別を決意したニヤにあのブルーオパールは余りに眩しくて。
それに、改めて見てみれば美しいそれはあまりに自分に不似合いで見ていられなかったのだ。
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