2 母親の才能

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僕は、僕の内側を抉るような言葉に何も言えなくなっていた。 「母親になりたくないわけじゃないの、カウンセリングとか、全然努力しなかったわけじゃないのよ、でもダメだった」 だからと彼女は言う。 ニヤをちゃんとした人に預けた方が良いのだと。 身勝手な言い分に何か言おうとした僕は結局何もいえなかった。 両親を捨てた僕も同じ穴の狢だから。 ニヤが生まれたことは最早否定出来ないし今更殺すこともできない、けれどこれから先ニヤを母親として愛することは出来ないだろう。 彼女の言葉を遮って、僕はニヤを引ったくるように抱くと、気が付けば自分の車に乗せていた。
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