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ニヤが何故そんなことを聞くのかが疑問だし、何よりニヤの怒りの理由が僕には見あたらなかった。
こうして家をあけるのはいつものことだしニヤがそれについて嫌味こそいうことはあっても怒ることなどなかった。
「ああ、一人だよ。 君も知ってるだろ? 僕がこの旅を邪魔されたくないことは」
「邪魔してわるかったな」
ニヤがすっと細めた目で僕をにらむ。
恐らく一年前、ニヤに会ったときのことを言っているのだろう、あのとき僕は予定を早めて帰路についた。
そのことを以前ニヤに言ってしまったことがあったので、どうやら彼女はそれを気にしているらしかった。
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