3 不機嫌な猫

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「どうせ! ニヤは邪魔だよ……」 ニヤは叫ぶように言うと掴んでいた僕の腕に爪をたて乱暴に引き剥がし部屋を出て行った。 激しいドアの開閉音に彼女が自分の部屋に飛び込んだのがわかる。 外ではなく自室に引っ込んだことに多少安堵し、僕は食べ散らかされた菓子の包装もそのままにベッドに横たわった。 ニヤに引っかかれた傷がツキリと痛む。 光に翳せば、少し鬱血し血が滲んでいた。 しばらくそうして、ぼんやりした後、ノロノロと部屋の後片付けをする。 普段あまりニヤが興味を示さないファッション雑誌がなんだかくたびれた様子で床に転がっていて。 友達から借りたのだろうか? と、夕食の時にでもわたそうと僕はそれをもってリビングに行った。 けれど、その日ニヤが部屋から出てくることは結局なかった。
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