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カップに残ったお茶を飲み干し帰ろうとした僕に「そうだ!」
何かを思い出した様子の森川さんが声を上げた。
「あの対談で話してた、大切な女性ってだれ?」
ニコニコと玩具を見つけた子供のように楽しそうに尋ねてくる。
森川さんには申し訳ないが、対談のことすら忘れていた僕がすんなりと思い出せるはずもなく、そんな話をしただろうかと首をかしげるぼくに、何かを感じ取ったのか「なーんだ、リップサービスか」とよくわからないことを呟いて口を尖らせていた。
「すみません、よく覚えていなくて」
ニヤが待っているんで。
そういって僕はその場をあとにした。
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