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すっかり降りるものだと思っていた僕はニヤの予想外の動きにしばしぼうっとしてしまっていた。
「早くだせよ!」
そんな僕をニヤは睨むと鋭く言い放つ。
促されるままにアクセルを踏んだ僕は助手席の方をチラリと見て「友達、良かったのかい? 置いてきて」
尋ねてみるものの当然のように答えは帰ってこない。
「……お昼、どうする? 外で食べようと思ったのだけど」
ため息混じりにもう一度別の質問を投げかけてみればニヤは短く「暑い、クーラー。 焼き肉」とだけ応えて、これ以上はなしかけてくるなとばかりに窓の方に顔を向ける。
僕はもう一度小さくため息をついて、冷房をいれると飲食街の方にハンドルをきった。
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