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昼食時のニヤの機嫌の悪さは半端なものではなかった。
仕事に使っている部屋で販売用の絵を書きながら、傍らのソファで眠る少女に目をやった。
普段は小食であまり食べない彼女だが、今日は違っていた。
メニューから適当に幾つも肉やら料理を注文し、それを次々に平らげる。
まさにやけ食いという表現にふさわしい食べっぷりで止める僕の声など一切耳に入っていないようだった。
その様相は猫というより、むしろ虎か何かのようで……。
せっかく治った愛猫の機嫌が再び急降下してしまい、それに比例するように僕の心も沈みこむ。
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