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ニヤの寝息を気にしながら、僕の心は落ち着かない。
目を覚ましたときの彼女の表情。
そればかりが気になって。
心は違うところにとらわれながら、それでも僕の手は止まることなく円滑に進む。
たいしたものだと思う。
勿論、これは自画自賛などではなく、自分に対する皮肉だ。
『母親になる才能がないの、貴方も気持ちはわかるでしょ? 画家さん?』
不意に彼女の……ニヤの母親の言葉が蘇る。
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