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「あちい」
乱暴にカーテンを閉めて、部屋の温度を一気にさげる、そして、僕には目もくれずにキッチンの中へと消えていった。
そんなニヤを見やり、僕は小さなため息をつき少しだけ空調の設定温度を高くする。
彼女、ニヤとあったのは今から一年ほど前のことになる。
一年前、両親を捨てた僕が両親に捨てられたニヤを黒猫と称して飼い始めた。
我ながら異常だと思う。
失った何かを埋めるように、僕はたまたま近寄ってきた痩せっぽちの少女にエサをやった。
下心はなかった、ただ本当に寂しかったそれだけだと思う。
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