1404人が本棚に入れています
本棚に追加
/217ページ
長閑な昼過ぎの喫茶店でぼんやり考えていると。
「お客様、コーヒーのお代わりはいかがですか?」
突然、声をかけられて「いや、結構です」答えながら声のした方を見れば、悪戯が成功して嬉しそうな矢野さんが立っていた。
「矢野さん……」
「ごめんね、お待たせしました」
申し訳なさそうに謝る彼女に「そんなに待ってないよ」と、ありきたりな答えを返してから「お茶は?」 尋ねる。
「ううん、いらない。 それより早く行こ、可愛い従姉妹ちゃんに素敵なプレゼントを見つけないと!」
張り切る彼女に、僕は胸が少し痛む。
最初のコメントを投稿しよう!