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僕はニヤのことを預かっている親戚の子だと説明していた。
社会的に見ても僕らの関係は異常だし、矢野さんや森川さんなんかの場合はそんな心配ないだろうが。
それでも若い男と暮らすニヤに、好奇の眼が向けられるかもしれない状況はできるだけ避けたかった。
……いや、違う。
僕はただ怖いのだ、ニヤに抱く感情がばれるのが。
お前の感情は間違っていると言われるのが。
「どうしたの? 早く行こ」
ニッコリと微笑む彼女に笑みを返し促されるままに僕は喫茶店をあとにした。
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