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「矢野さん?」
「私ね……私、卒業式の日に玲くんに告白するつもりだったんだ。 それなのに玲君、何も言わずに突然いなくなっちゃって……連絡もとれなくて、凄く寂しかった」
真剣な眼差しで紡がれるその言葉に僕は瞬きするのも忘れていて。
当時、矢野さんとはとても親しくつきあっていたが彼女が僕に対してそのような感情を抱いているなど少しも思わなかった。
「だから、この間玲君に会ったとき本当に信じられなくて。 また、会えるなんて嘘みたいで……今から。 今からしても大丈夫かな? 卒業式のやり直し」
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