7 雨と香り (後)

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気がつけば僕は傘もささずに夜の街に飛び出していた。 雨はかなり本降りになっていて大きな雨粒が痛いほどだった。 走りながら何度もニヤの携帯に連絡を入れるが、電源が切られているのかいっこうに繋がらない。 僕は帰りの連絡をメールで済ませたことを痛烈に後悔しながら、夜の街をさまよっていた。 近くの公園や雨が凌げそうなところをくまなく探すがそんな所に居るはずもなく。 一年近く一緒にいてニヤの行きそうなところ一つ思い浮かばない自分に呆然とした。
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